「実務に直結する科目」を受けるかどうかについて

いくつか質問で「受験する科目がすべて国税科目なのは実務に直結するからですか?」「受けるなら実務に直結する科目の方が良いですか?」といういわゆる科目選択についての質問を頂いたので、私なりの考えをまとめました。

まず結論としては、国税4科目受験の私が言うと一見説得力がないかもしれませんが、個人的には「試験は試験なので科目は国税科目でなくても良い」と思っています。

もっと言うと、そもそも税理士になれるなら試験合格でも大学院免除でも構わないと思っていて、それこそ私も受験が長期化しそうなら大学院免除をちゃんと選択肢にいれていかないと!と思っている方です。

これについて、ではなぜ私は国税科目ばかりなのか?という部分を先に補足しておきます。

これについては予てからブログで何度か書いていますが、単純に私が「覚える量が多くない代わりに精度勝負になる」科目(いわゆる「ミニ税法」)よりは「膨大な量の勉強・暗記が必要で、試験も満点は不可能な問題の中でどれだけスピード・精度が高いか?を勝負する」科目の方が合っているからという理由で、それに近い順に法人・所得・相続・消費(今年の相続はそうでもなかったですけど…)を結果的に選択しています。

そして、現状忙しく仕事をしながらではありますが、今のところ国税科目を受けても戦えるだけの勉強量を確保できているから、私にとって国税科目はあくまで「合格争いができる科目の中で自分に合っている科目の選択」という判断の中から選ばれた科目なわけです。

次に「実務と直結する科目の方が良いか?」は受験する時点と、受験が終わってからの2つの面があると思うので、それについて書きたいと思います。

まず受験時の話ですが、私のように一般企業勤務だと無関係ですが、会計事務所勤務の方に関しては国税科目、特に法人税、消費税などは実務で扱うことが多いでしょうから、「予めその科目に対する知識がある」という側面があります。

こういう方に関しては「実務でやっていて知識がある科目を受験する」というのは全く知識のない科目をゼロからやるよりもアドバンテージになると思いますので、有効だと思います。

なので、いわゆる「試験と実務は違う」という部分を差し引いても実務で培った税法の知識が役立てられる状況の方は実務直結の科目を選択するのはプラスだと思います。

そして、おそらくこれが本記事の本旨になる部分ですが、「受験した科目の知識を実務で活かしたいから実務で使う科目を選択する」という方法に関してですが、個人的にはこの選択に関しては否定的なんです。

理由は先程書いたように「受験は受験」と思っているので、例え実務で使うからと言って法人税を合格できるだけの勉強時間が確保できないのに「実務で使うから法人税」を受けるよりは、自分の勉強時間の中で合格出来るだけの量・内容の科目を選択するというのが「合格して税理士になる」ためには必要な選択だと思っています。

日頃自分に言い聞かせていることで、少し厳しい言い方をすると「だって、税理士試験は税理士になるための試験であって実務講習ではない」んですから。

だから、仮に自分が選択しようとしている科目が実務で使うけど現実的に考えて合格できそうな量・内容でないとしたら、その選択は試験という視点から見たら間違っていると言わざるをえないのではないでしょうか?

私個人は社会人になって以来、誰に言われるでもなく、仕事で使う知識で必要なものがあれば、そのための本を買う、研修を受ける、情報交換をする、知識ある方に教えてもらうなどを行っています。

たぶん、これは将来的に仕事の範囲に税務会計が入ってきて、実務で税法を勉強する必要が出てきたとしても変わらないと思います。

その意味で私にとって受験する科目が「実務に直結するか?」はそれほど大きな要素ではなく、むしろ切り離して考えるべきものだと思っていて、「実務で使う知識がほしいなら、そのための勉強をすべきであって、それを独立系の資格試験に求めるのは違うと思う」ということです。

ここはいわゆる簿記検定のような実務系の資格試験で「スキルアップ」のための試験とは本質を異にしているけど、混同して考えてしまいがちな部分だと思っています。

ただ、これは私が仕事と税理士試験の勉強に加えて、上記の仕事のための勉強をすることが出来る状況だから、というのは付け加えておきます。(中には講習を受けに行く時間、本を読む時間がとれない方もいらっしゃると思いますので)

もちろん、「試験で勉強したことが実務でそのまま役に立つ」のであれば、それは相乗効果として素晴らしいことですし、私もせっかく国税科目勉強しているのであれば、実務に就いた時にそれが役立てば良いな!と思ってはいます…(笑)。

対して、おそらく私も関係してくる部分でもありますが、実務経験がない人が税理士法人・会計事務所に就職・転職する際のアドバンテージとして「実務で使う科目(特に法人税・消費税)」を合格しているというのは実務経験というアドバンテージがない人間が良い条件で就職するためにはプラスに働くと思います。

もちろん、試験科目を全く気にしないところもあるかと思いますが、税理士法人の代表の先生たちに聞くと加味するという回答が多かったのも事実ですから。

だから、資格を取って就職したい方にとっては実務直結の科目を選択するのはプラスなことかもしれません。

ということで、私なりの考えをまとめてみました。

税理士試験は受験者の層や受ける目的も様々ですので、上記には触れていませが「簿記の延長で簿財だけ取りたい」という方や「税理士資格は取らないけど勉強はしたいから」という方などもいらっしゃったりするのも事実ですが、私に質問してきたということは「税理士資格を取って税理士業務をしていきたい」「(どちらかというと忙しく)仕事をしながら受験している人」の声を聞きたいと思ってのことと思いますので、その観点から書いています。

人それぞれ意見があることですので、あくまで一個人の意見として、何かの参考になれば幸いです。

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