税理士試験の持つハードル

法人税の過去問などを少し見返しながら、少し思ったことがあります。

税理士試験のハードルは何だろうか?

です。

私の答えの一つはやはり

「1科目千~数千時間」と言われる科目合格のハードル

ではないか?と思いました。

これは

・専念の受験の方も含めても「平均8.6年」と言われ、合格に10年以上掛かる人も多い税理士試験の合格までの年数を長引かせてしまう要因になっている。

・(特に社会人で)これから税理士を目指そうとしている人にとって「こんなに勉強時間確保できない」「ここまで頑張れるか不安」という未来の税理士志望者にとってのハードルになっている

ことでもあると思いました。

もちろん受験者が少なくない資格ですし、それ相応のハードルである必要はあるでしょうから、問題の難易度を下げてほしいとかそういう話ではありません。

私が気にしているのは「実力が反映されない」面が他の難関資格より多いと感じることです。

その理由は「試験結果通知において点数が分からない」こともそうですし、「模範解答がないことで出題者の意図が分からない」こともそうですし、同時に「受験生のレベルを考えていないレベルの難易度・分量の問題が出ることがある」ことにもあると思います。

今回は3つ目の「難易度・分量」について少し例を。

第64回簿記論の本試験の話です。

64回といえば法人税法が有名(?)ですが、簿記論も悲惨なことになっていたようです。

在外支店の外貨建換算で貸借不一致が起こったこともそうですが、上記の「難易度・量」の部分で言いますと、

・第二問の推定簿記が受験生が解ける(というか閃く)レベルの難易度を超えており、講師曰く「最初の1つを合わせればそのまま半分は合わせられるが、その1つ目を合わせることが時間・難易度からして難しく、ほとんどの合格者が白紙だった」

・第三問が講師曰く「まともに解いたら講師レベルでも4時間掛かる問題。」「最初の30分くらいで18~22点分くらいは取れるが、残りはあと3時間は掛けないと解けない構造になっているため、実際半分以上は解いても時間内に答えを書けない」

ということで、この2つにおいて時間配分を間違えた人は実力があっても容赦なく不合格だったという話を伺いました。

要はこの2つに時間を割いた人は不合格になること。

前者は「問題を解かずに飛ばした人が有利」というところに理不尽さを感じます。

取捨選択・時間配分というのは資格試験においては重要だと思いますが、「解いていく中である一定ラインで見切りを付けて他の問に時間を使う」のではなく「時間を掛けずに白紙」が有利な展開であったというのは「解ける力があるけど白紙にした人と全く分かってないから白紙にした人」の差をどこで付けるの?と思います。

後者は確かこの年、試験委員の先生が初年度だったこともあり、問題の設定難易度等を見誤ったんだな、というのは分かるのですが、4時間掛かるレベルの問題って…

そしてどちらにも言えることは「ある一定の時間(ただし試験時間内では難しい)を掛ければ一気に解けるが、問2に関しては全部、問3に関しては20点前後の部分のみしか時間内に解けるところがない」というのはどこで受験生のレベルの差を測るのか?が不明です。

解くために必要なのは能力や閃きもそうですが、まず第一に受験生の段階ではどうしようもない「時間」がまず必要なのですから。

しかも1分1秒も無駄にできない本試験の2時間一発勝負の中で…です。

65回簿記論を受けた時に感じたのは、あれだけ「簡単だ」「ボーダー80点超えでは?」くらいの声さえ聞いた回ですら本試験のプレッシャーの中できちんと解くのは難しいのに、そのプレッシャー抜きでも解けるかどうか??という問題を出して果たして税理士の資質として何を見出すのか?

全部の科目、全部の回でそうではないとはいえ、こういうことがあるとこれから受ける人、実際に受けた人への影響も大きいでしょう。

「難しいけど頑張ったら受かる試験だよ」って受けている人が言えない試験では受けてもいない人は尻込みします。

今の税理士試験はどうでしょうか?

今私が同じことを聞かれたら「難しいけど頑張ったら受かる試験だよ。何かしらのイレギュラーに出くわす可能性があるけど…」って言うと思います(苦笑)

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